2006年 03月 22日
スピンガットというストリングが各メーカーから発売されている。 ストリングの表面に溝を入れたり、表面にボールの引っかかるよう凹凸をつけたりといった加工がなされている。スピンプレーヤーをターゲットにしているだけに、耐久性を考えてゲージは太め(本来は細いほうがスピンはかかる)。個人的にあまり食指が動かない種類のストリングである。まあこれは趣味の問題だが、プロが使っているのも見たことはない。 ここ2、3年、ツアープロの間でポリの使用率が上がってきているという。ポリのよさはナイロンやナチュラルに比べコントロール性に優れる(要は飛ばないということ)、耐久性が高いこと、ボールをつぶしやすいこと等が一般的によく云われることだが、ツアープロは耐久性はほとんど必要としないはず(試合の直前に張ることが多く、1回の使用時間短い)である。ポリの表面はつるつるしており、ボールの引っかかりが悪く先のスピンガットなんかと比べるとスピン性能が悪いように思える。ポリの使用はどちらかというとデメリットの方が大きいのではないかという感じがしてしまうが、シビアなツアープロがそんなメリットのないものを使うわけがない。 そんな疑問を解決する研究結果が先日発表された。ミラフィットというストリング潤滑剤のメーカーのページである(ここ)。 このページのボールにスピンがかかる動画を観て欲しい。インパクトの瞬間にストリングがずれ、それが復元する力がボールにスピンを与えているのがよく分かる。つまり表面がつるつるしてストリングの「ずれ戻り」が大きいタイプのストリングの方がスピンがかかるというのである。ツアープロがスピンガットではなくポリを使う理由はこれである。彼らは経験的にポリのスピン性能を知っていたのだ。 以前、あるショップのオーナー(ポリ嫌い)が「全日本クラスのプレーヤーが『自分たちでもポリを使いこなせていない』と云っている。だから一般のプレーヤーではメリットはまずないだろう」と語っていたが、自分の周囲でポリを使い始めた人の意見を聞くと一様に好評である(プレースタイルやラケットとの相性もあるだろうが)。中にはポリに張り替えたおかげで今まで勝てなかった相手に勝てたという人もいる。誰にでも同じようなメリットを享受できるとは云えないが、それでもとりあえず試してみて自分なりに評価してみるというのは大事なことである。
by kelsokelsokelso
| 2006-03-22 00:57
| テニス
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